こんにちは。キャプテンTOKYO(@C_aptainTokyo)です。
トヨタの社長と経団連会長がそれぞれ終身雇用について言及しました。
内容としては、終身雇用を守ることは難しいということ。
日本最大級の企業の社長と、大手企業を中心とした経団連のトップの発言に注目しました。
しかし考えてみれば、当然のような気がします。
目次
トヨタ社長の発言
自動車業界トップも終身雇用の継続は難しいとの認識です。
日本自動車工業会・豊田章男会長:「なかなか終身雇用を守っていくというのは難しい局面に入ってきたのではないかと」
トヨタの豊田社長は業界団体のトップとして、終身雇用について「雇用を続けている企業にインセンティブがあまりない」などと述べ、今のままでは継続は難しいとの認識を示しました。一方、中途や派遣の社員が増えているとして、「やりがいのある仕事に就けるチャンスは広がっている」と述べました。終身雇用を巡っては、経団連の中西宏明会長も「終身雇用なんてもう守れないと思っている」と発言しています。
※https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20190513-00000040-ann-bus_all
経団連会長の発言
経団連の中西会長は、企業が今後「終身雇用」を続けていくのは難しいと述べ、雇用システムを変えていく方向性を示した。大学側と経団連が議論した結果を、来週公表する予定。
経団連・中西宏明会長「正直言って、経済界は終身雇用なんてもう守れないと思っているんです。どうやってそういう社会のシステムを作り変えていくか、そういうことだというふうに(大学側と)お互いに理解が進んでいるので」
経団連の中西会長はこのように述べ、「人生100年時代に、一生一つの会社で働き続けるという考えから企業も学生も変わってきている」との認識を示した。
その上で、これまで日本では、4月の一括採用で入社せずに、あとから非正規で入社した場合、たとえスキルを身につけたとしても正社員に待遇で差をつけられるというケースを示し、そうした雇用システムに疑問を呈した。
経団連と大学側は、個人にとっても企業にとっても、より良い雇用のありかたについて、これまでの議論を22日に報告するという。
※https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20190419-00000276-nnn-bus_all
社会的実態
永劫的に右肩上がりの企業はあり得ない
日本企業の多くは昔から、終身雇用制度を打ち出しています。
1人の社員を大切にし、一生雇用するという制度です。
これらの考え方は、特に大企業の中で見られます。
昭和の時代や平成初期などは、大企業は潰れるわけがないという考え方でした。
ほんの少し前までは、この考え方が当たり前でした。
しかし今は違います。
大企業であっても、売上が急落したり海外企業に買収されたり、あるいはリストラを敢行したというニュースも目にするようになりました。
現代はインターネットが普及し、様々な新技術が開発されています。
その急激な変化についていくのは、簡単なことではありません。
車を例にすると、まずエコカーへの関心が高くなりました。
水素や電気で走る車が注目を集めます。
現在は、社会で注目されているのは自動運転です。
あるいは空を飛ぶ自動車も注目されています。
車を持たない人も増えました。
シェアリングという言葉も社会に浸透し、カーシェアサービスが注目されています。
そして予想できるのは、車を持たない人が増えて、車は自動運転車をシェアする未来です。
そうなるとこれまでのように車を売れるとは思えません。
また自動運転車や空飛ぶ自動車の開発などは、大きなリスクを背負って開発し、他の大手企業やあるいはベンチャー企業との闘いの連続になるでしょう。
そう考えると、トヨタのような企業でさえ将来安泰とは思いません。
昔のように、大企業であれば将来安泰という考え方が通用しない世の中になっているのです。
会社員以外の働き方が注目される
終身雇用制度に疑問符がつく中、社会で注目されているのが、会社員以外の働き方です。
わかりやすい例で言うと、フリーランスやYouTuberなどですね。
間違っていないと思います。
ただそれは持って生まれた能力云々の話ではなく、行動力や決断力などの話です。
何が言いたいのかというと、そのように自分で動ける人たちはすでに行動し、会社員以外の生き方に可能性を見出しています。
大企業が安泰という考え方は捨てており、個人で稼ぐ方法を模索しています。
大企業に入るような人は、極めて優秀な方が多いです。
そのため、個人で戦ってもお金を稼ぐことはできるでしょう。
そうなると、企業に利益をもたらす優秀な人材が抜けていくことになります。
会社は社員を守らなければならない?
会社には、社員を守る義務があります。
しかしそれを勘違いしている人も多いみたいです。
会社が社員を守らないといけないというのは、例えばパワハラやセクハラのない環境作りなど、働く環境を整える義務のことです。
会社は従業員にとって快適な就業ができるように、職場環境を整える義務を負っていると言うことになります。
しかし会社は社員を守る義務があると言うと、終身雇用制度などで社員を雇用し続けること、社員をクビにしないことのような勘違いをしている方もいるみたいです。
あまりこういう表現は好ましくないですが、終身雇用「制度」を必要としているのは、その会社の外では通用しなかったり、あるいは働く気力のない人間かもしれません。
簡単に言うと、会社に利益をもたらさない人材です。
会社に利益をもたらす優秀な人材というのは、終身雇用「制度」がなくても雇用されます。
当たり前の話で、会社に利益をもたらしてくれるからです。
会社は、利益をもたらしてくれる人間だけを適量集めて経営すれば、普通に考えれば簡単には潰れません。
しかし実際には、多めに採用して利益をもたらしてくれる人間を少しでも多く生み出し、利益をもたらさらない人間の分までお金を稼いでもらう必要があります。
そのような優秀な人材を終身雇用することは、企業としてはもちろんプラスになりますが、そうてない人材の終身雇用は企業にとってメリットは少ないです。
しかし最近では、社員をクビにしたりするとすぐに社員を守らない会社だとレッテルを貼られてしまうため、会社側は簡単には人を切ることはできません。
その結果、利益をもたらさらない人まで無理に終身雇用を続け、経営まで苦しくなっていくのです。
政府は定年を伸ばしたい
定年を70歳まで伸ばそうというのが、社会的な流れですね。
働く側としてはたまったものではないです。
しかしそれ以上に、雇用する側の企業にとっても歓迎されることではないでしょう。
もちろん人によりますが普通に考えて、70歳までこの急変する世の中で最前線で仕事をするというのは難しいでしょう。
それに、70歳まで働き続けることができる人の場合はある程度給与も上がっており、人件費もかかります。
年齢による体調に不安もあります。
政府が定年を伸ばそうとすればするほど、会社側としては、終身雇用は難しくなります。
AIが人間に代わって仕事をする未来
AIという言葉もすっかり社会に浸透してきました。
AIロボットが実際に社会に入ってる姿も見ます。
そしてAIは人間の雇用に代わっていくと予想されています。
これは社会としては歓迎すべきことです。
これまで人間がやっていた面倒な作業や、精密さが要求される仕事を機械が行うのは、ミスもなくなり作業効率も上がります。
つまり企業が終身雇用制度を採用し、社員たちを雇用し続けても、その社員の仕事がなくなっていきます。
そうなると、企業としては社員を雇用し続けるのは難しそうですね。
AIを始めとして、人間の仕事は機械に奪われていくでしょう。
そのため、企業としては大勢の社員を雇い続ける必要がなくなります。
終身雇用制度には会社にメリットがない
一昔前であれば、終身雇用制度にはメリットがありました。
優秀な人材を囲い込むことです。
しかし今では、そのメリットさえもなくなっています。
終身雇用制度は、企業にとって足枷となってしまっているのです。
終身雇用「制度」でなくても、優秀な人材は会社として終身雇用します。
しかし会社に利益をもたらさない人材は、雇っていても仕方がありません。
また今は人手が必要でも、将来的には必要なくなる仕事もあります。
AIや機械化が進む仕事ですね。
会社と社員の関係は、下記になります。
会社→社員
社員→会社
しかし現在の会社の仕組みとしては、雇ってしまうと仕事をまともにしない社員にも、毎月決まった給与を支払うことになります。
そのような社員を、終身雇用などしてもメリットはないですよね。
現在は、状況がまったく違います。
終身雇用を当たり前にしていては、対応できない未来が簡単に予測できます。
ブラック企業が注目される裏で生まれるブラック社員
会社と社員の関係は歪んでいます。
ブラック企業という言葉が浸透していますが、その裏でブラック社員も生まれています。
このような例を挙げます。
社員の言い分としては、会社員になったので決まりとして育休は取得できるという言い分です。
間違いではないでしょう。
しかし会社と社員の関係というのは、先程述べた通り、働いて会社に利益をもたらす対価として給与を支払うことです。
会社に利益をもたらさなければ、雇用するメリットはありません。
しかしもし、この人を解雇しようとでもすれば。
おそらくですが、訴えられたら会社は負けるのでしょうね。
この例以外にも、すぐに辞める若手社員や窓際中堅社員、横暴な年配社員など、ブラック社員と呼ばれるような人もたくさんいます。
そのような人たちも、雇用し続けなければならないのが実態です。
またブラック企業という言葉もよく聞かれます。
常識外れの残業をさせたり、給与を適正に支払わなかったりといった企業ですね。
会社と社員の関係は歪んでいます。
仕事をして利益をもたらした対価に給与を支払う仕組みなので、そこだけを追求すれば良いはずです。
具体的に言うと、社員はもっと簡単に仕事を辞めれば良いし、会社は利益を与えない社員は辞めさせることができれば良いと思います。
このようにすると、利益をもたらす優秀な人材だけが働き、社会的にも利益は大きいです。
また人が適材適所に配置されることにも繋がり、ブラック企業は減ります。
終身雇用が無理なのでその対策
社会的対策
AIなどに仕事が奪われたり、社会的整合を取るために人材を整理すると、働けない人たちが出てきます。
また終身雇用制度を維持するのは難しいため、早期リタイアなども検討する人が増えます。
社会的にできる対策としては、やはりベーシックインカムではないでしょうか。
優秀な人材は働き、賃金を得て豊かになる。
働けない人たちでも、働かなくても生きていける。
社会としてはこの形を目指すべきかと思います。
個人的対策
個人的にできる対策としては、個人でお金を稼げるようにすることです。
副業も解禁されていますし、様々なことにチャレンジしてカイシャに頼らない生き方を目指すべきです。
終身雇用がなくなっても、会社に人材が必要なことに変わりはありません。
それならば、会社に必要とされる有益な人材になることが求められます。
まとめ
終身雇用には限界が来ています。
トヨタの社長や経団連会長が言及したことで、それは明らかになったはずです。
これからは、社会的にも個人的にも変革が求められます。
生きる力をつけて、この変革を乗り越えましょう。
いかがでしたでしょうか。
今回は、トヨタの社長と経団連会長の発言を受けてその背景などをまとめました。